第4回 定期演奏会(2022年度)

吹奏楽界のスーパースター、田中靖人氏(東京佼成ウィンドオーケストラ コンサートマスター)をゲストに招き、800人を超える大入りの第3回定期演奏会を終えたが、4期のスタートは決して順調なものではなかった。
未だにくすぶるコロナ禍に祟られ、団員募集の状況が芳しくない。対象地区の中学校は軒並み「部活自由化」となる中、吹奏楽部に入部する学生も激減。当団の入団希望者も伸び悩む。そのような状況でも粘り強く勧誘を続け、締め切ってみれば前年度の団員数を上回る。

年度前半は音楽監督の定めた指定課題曲に取り組むも、精彩を欠く場面が幾度かあった。なかなか状況が好転しない。そんな中、7月に行われた「可児市ジュニア音楽祭」に出演。その演奏が高く評価され、ようやくオーケストラの空気が和む。自分たちのやっている事は間違っていないのだ!そういう思いが団員の中に芽生え始めた。
10月には地元地区センターのイベントにゲスト出演し、多くの来場者に喜んでもらえた。この辺りから少しずつ仲間意識も芽生え始め、結束力が増してくる。

そんなイベントをこなす中、第4回定期演奏会のプログラムが決定。投票によって選ばれた楽曲、蓋を開けてみれば難度の高い曲のオンパレード。本当にやりきれるのか・・・言い知れぬ不安がコーチ陣の心によぎった。

秋から冬へ、時間が過ぎていく。吉田行地先生と特別コーチによる「ハイブリッドレッスン」を重ねるが、年末を迎える頃になっても楽曲の中身は一向に仕上がらない。加えて定期演奏会の指揮者も決まらず、団員、保護者、コーチ、皆が不安の底にいた。
団員もコーチも、指揮者を誰に頼むべきか何度も議論を重ねる。保護者も含め議論は白熱。コーチ間でも意見が食い違い議論は終わらない。そのような状況の中、黒岩音楽監督が白羽の矢を立てたのは、当楽団の所属する「可児市吹奏楽協会」音楽総監督の吉田行地先生だった。
コーチ陣が多く在籍する「可児ウィンドオーケストラ」の音楽監督兼常任指揮でもある吉田先生の登場に、喜ぶ団員もいれば付いていけるか心配もする団員もいる。何せ合わせはたったの3回。それで本番に漕ぎ着つけられるのか、不安は募るばかりであった。

2月に入り吉田先生の初来団。早速、不安は的中した。不完全な箇所が数多く、なかなか付いていけない団員達。そして、小さな事件が勃発。某曲の一部、仕上がりの悪さを指摘され全面カットを言い渡される。
これに対して団員の中で「カットなんて悔しい!」・・・「猛練習して吉田先生に直談判しよう!」・・・指揮者と対峙する事になる。

2回目の来団までに時間はない。団員達は奮起。結果、吉田先生に演奏を認めさせカットは回避。それと相まって楽曲の仕上がりは一気に進み、まるで別団体か⁉と思えるほど急激に完成度を増していった。

その勢いのまま演奏会に突入。前回に引き続きアーラ主劇場の3階席まで埋め尽くす大盛況。自信に満ちたその演奏は、お客様の熱い拍手と声援を受けた。同時に3年間、苦しめられたコロナ禍に終止符を打ち、我々にとってこの上ないゴールを迎え第4期を終えることになった。

日時2023年3月19日(日)
13:30開場/14:00開演
会場可児市文化創造センターala 主劇場
(岐阜県可児市下恵土3433-139)
入場料無料
演奏曲<第1部>
 アルヴァマー序曲 作曲:ジェイムズ・バーンズ
 オリエント急行 作曲:フリップ・スパーク
 第2組曲 作曲:アルフレッド・リード
<第2部>
 ディズニーメドレーII 編曲:佐藤俊彦
 YOASOBI 「群青」
 米津玄師 「打上花火」
 航海 作曲:渡辺睦樹 / 編曲:小六禮次郎
 交響組曲「ハリーポッター」 作曲:ジョン・ウィリアムズ / 編曲:ロバート・W・スミス
<アンコール>
 小さな恋の歌
 航海
主催可茂ジュニアウィンドオーケストラ
協力可児ウィンドオーケストラ
後援可児市/可児市教育委員会/美濃加茂市教育委員会/株式会社ドルチェ楽器

ギャラリー

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